非望のきはみ 非望のいのち はげしく一つのものに向かって 誰がこの階段をおりていったか 時空をこえて屹立する地平をのぞんで そこに立てば かきむしるやうに悲風はつんざき 季節はすでに終わりであった たかだかと欲望の精神に はたして時は 噴水や花を象眼し 光彩の地平をもちあげたか 清純なものばかりを打ちくだいて なにゆえにここまで来たのか
だがみよ きびしく勾配に根をささへ ふとした流れの凹みから雑草のかげから いくつもの道ははじまってゐるのだ
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