当初リンツィンさんがメールで送ってくれた日程表です。
Day 1: Bangkok Paro
Day 2: Paro Shana {First Camp Site}
Day 3: Shana Shingkharap.
Day 4: Shingkharap Thangthangkha
Day 5: Thangthangkha Jangothang {Base Camp}
Day 6: Jangothang Halt.
Day 7: Halt Halt {optional}
Day 8: Jangothang Yaksa
Day 9: Yaksa Thongbu
Day 10: Thongbu Shana {village House}
Day 11: Shana Paro
Day 12: Paro Departure
今回また、トレッキングの様子が分かるように、 旅行中HP-200LXに記録しておいた旅のスケジュールから、 時間経過に沿って纏めました。
吾がキャラバン隊のメンバーは、1 もうすっかりお馴染みガイドのMR.リンツィン(Mr.Rinzin)、
2 コックのMR.ケルザンMR. ケルザン of the cook(Mr.Kelzang)、
3 ホース・マンのMR.ウォンチュク(Mr.Wangchuk)、
5 そして屈強なブータン馬7頭です。Then, they are seven 屈強な Bhutanese horses.
3 パロの朝の気温は室内15.7℃、外6.4℃と日本と変わりありません。ドゥゲ・ゾンの所まで車で行きます。 ドゥゲ・ゾンの少し手前でチョモラリが見えました。 これからあの麓を目指すわけです。
5 ドゥゲ・ゾンに着きました。 2002年に始めてここに来た時、この先がチョモラリへの道ですよと、 言われました。 今日これから実際に行くことになるとは、あの時は夢にも思いませんでした。
7 ドゥゲ・ゾンの所に馬7頭と馬使いが待機しており、ここで荷物を載せます。 昨夜紹介されたコックもミニバスで来ていました。 ブータン馬の力強さはタクツァン僧院とガサ温泉行きで十分承知しています。
11 10時37分、いよいよ歩き始めます。 荷物の積み込みは済んでいませんが、それは彼らにを任せて、 私とリンツィンさんだけ出発します。 どうせ途中で追い付かれるからです。
13 途中までは自動車道でタクシーなどが通ります。 この吊り橋を渡るとそこからはフットパスとなります。
18 馬隊が予定より大幅に遅れたために、2時半頃の遅い昼食となりました。
29 4時半頃空き地にテントを設営します。 これは食堂のテント。
47 鍋の中はパクシャ(豚肉)、レッドチリ、ラディッシュです。
1 朝の気温は1.2℃。テントにはうっすらと氷が着いています。
7:46 breakfast7 馬も配合飼料を、こうしてサッカーボールに入れて食べます。
今夜のキャンプ地ショムダチャサ(Shomdachasa)に着きました。 既に食堂の青いテントが張られています。
朝のテント内の気温−2.7℃、高度3760m、ほぼ富士山と同じ高さです。 焚き火が始まります。
15:09雪山が顔を見せます。 ツェリムガン(Tsherimgang 7300m)です。
15:21また雪山が顔を覗かせます。 ジュチュダケ(Jitchudrake 6794m)です。
また雪山です。 16:02チョモラリ(Jomolhari 7314m)です。
岩にジャンゴタンの文字が見えます。そろそろです。 チョモラリは刻々と姿を変えます。
16:25とうとうチョモラリのベースキャンプ・ジャンゴタンに到着です。
私のテントはチョモラリが見えるように設置されています。
リンツィンさんの配慮です。
しかし始めの予定では、
シャナ(Shana)、
シンカラップ(Shingkharap)、
タンタンカ(Thangthangkha)、
と3泊して、4日目に
ジャンゴタン(Jangothang)
に到着するはずだったのに、
今日はまだ3日目です。
リンツィンさんは1日目の私の歩きを見て大丈夫と判断し、
シンカラップを通り越して、
ショムダチャサ(Shomdachasa)に2泊目を取り、
3日で到着するように変更したそうです。
でも言ってくれればもっとゆっくり歩いたのに!!
朝テントの内側に霜が付いています。気温−3.3℃。 あたりは真っ暗ですが、チョモラリは明るくなっています。
リンツィンさんが近くのヤク農家で買って来た、 ヤクの干し肉を切り分けています。
本当にチョモラリが近くに見えて、雪の所まで行きたくなりましたが、 リンツィンさんに言ったら、そこまで1日かかるそうです。
午後、明日登る対岸の丘に途中まで登ることにしました。 ジュチュダケも別の姿を見せます。
ヤク農家を訪ねることになりました。 この辺りは潅木しかありませんから、薪は皆細い枝のようです。 薪の上はインセンスに使う松の葉のようですが、 これはもっと下から持って来るのでしょう。
暗くなる前にキャンプに戻ることにします。 ジュチュダケの頂上にだけ陽が当たっています。
8時出発です。 昨日途中まで登った丘を登ります。 キャンプ地が小さくなります。
丘を登りきるとゆるやかな道が続きアルプスのような雰囲気です。
この辺りでようやくチョモラリとジュチュダケが一枚に収まりました。
10:10 blue sheepリンツィンさんがブルーシープがいると言います。 枯草地の上のガレ場に小さく見えます。
そーっと、枯草地を上って行きました。 でもまだ遠いです。 こんな時長いレンズが欲しくなります。
シープと言ってもカモシカのようです。 ブルーシープは灰色ですが、 光の具合でブルーに見えることから付いたそうです。
ジュチュダケの頂上付近は更にシャープになり、鉛筆の芯のようです。
写真では分かり難いのですが、虹鱒らしき魚がいます。 また、この部分は氷がないように見えますが透明な氷で覆われています。
御神渡りの謂れをリンツィンさんに話しました。 ブータンには似た話しは無いようでした。
かなり分厚い氷でリンツィンさんが石をぶつけたら石が割れました。
こちらも凍結しています。 湖に流れ込む川が向こうの崖から滝になって落ちています。 (後であの滝の上を通りました)
この湖は一部凍っていなく白鳥や鴨のような水鳥が浮かんでいます。
白い3つの点が白鳥のような鳥です。 この時道は湖から大分上になっていたため、 湖の側からの写真はありません。
黒くなっているのは、私が滑らないようにと、リンツィンさんが砂をまいたからです。
また新しい雪山が見えました。 これはローカルな山なのでリンツィンさんも名前を知りませんでした。
ようやく今日のハイライト、ボンテ峠の山並みが見えて来ました。
この写真は分かり難いのですが、 先ほどの2つ目の湖に流れ込む川が滝になって落ちている所です。
ここはカール(圏谷)のような感じです。 周りの様子を紹介しますと、これは背後の様子、
下りです。ということは、15時5分、ボンテ・ラ(Bongte La 4800-4900m)にたどり着きました。
16:45 - 18:00 Yaksa down16:36ここからストーンと落ちる感じです。 数百mはあろうかという断崖絶壁の幅30cmもない細い道を下るのです。
17:14ようやくヤクサの村が下に見えて来ましたが、 まだまだ急斜面の細い道が続きます。
こんな所をよくもまあ下りて来たものです。 この後まだ途中なのに暗くなり、文字通り手探りで、下りました。 この日は朝8時出発で夜6時到着と、10時間歩きました。 (寄り道が多かったのも一因ですが)
寒い朝ですが、ジャンゴタンより薪が太くなったのが心強いです。
山に陽が当たります。 ここは昨日下りたことから分かるように深い谷底なのでなかなか陽が当たりません。
今日は暗くなる前に着けるように、朝食を食べるとすぐに出発しました。 向かいの丘の中腹にヤク農家が見えます。
私を待つ、リンツィンさん。 私にとって大変な道でも、彼にとっては散歩道ですから。
11:09 hill top2時間かけて丘に登り、そこからは丘を回りこむ高原の道が続きます。
リンツィンさんが鳥を見つけました。 私はよく確認出来なかったのですが、取り敢えずその方向にカメラを向けました。
リンツィンさんはptarmiganと言います。 雷鳥のようです。 写真中央の白いのが、それらしいのですが。
そうこうしている内に鳥が舞い上がりました。 雷鳥も飛びますから、雷鳥かもしれません。 ただ写真を見ると、翼が大きいので別の鳥かもしれません。
緑色の箱が置いてあります。 漢方薬になる植物を食べられないように保護しているのだそうです。
ズームにします。
この後、黒で先端がブルーに輝く羽を拾いました。
リンツィンさんによると鷲などの猛禽類に襲われたものだろうということです。
綺麗なので持ち帰りました。
(鳥インフルエンザは大丈夫でしょう)
やがて次の山が見えて来ました。 頂上付近は雪が積もっているようです。
トンブ・ラにはためくダルシンが小さく見えました。 写真中央のくぼんだ所です。
13:05 hourse come右の丘をまいて来たわけです。 その向こうにロウソク岩が見えます。
馬隊が峠に近づいています。 峠が凍っていると馬が滑るとMr.ウオンチュクが心配していたそうですが、 リンツィンさんは晴天が続いているから融けているだろうという判断で来たそうです。 どうやら大丈夫のようです。 それにしても私は何時着くのやら。
リンツィンさん、Mr.ケルザン、Mr.グルンの3人はお喋りしながらの気楽な旅です。
13:41 Thongbu La 4700-4800mようやく雪道を登りつめ、トンブ・ラ(Thongbu La 4700-4800m)に着きました。 今日は頭はなんともありません。 峠は風が強いです。
遥か遠くにインドのシッキムのカンチェンジュンガ(Kangchenjunga 8586m)が見えます。
行きの飛行機から見たので2度目となりますが、感動は全然違います。
さあ怖い下り道です。 ここだけ見ればどうってことはありませんが、 この下に5、6百mはあろうかという断崖絶壁が続きます。
昨日リンツィンさんが名前を知らなかったこの雪山の名前をMr.ウォンチュクに聞いておいてくれました。 ショウギラと言うそうです。
リンツィンさんが下にブルーシープを見つけましたが、 私にはよく分かりません。
ズームにしてもこれがせいぜいです。 ブータンでこういった動物を撮るには長いレンズが必要です。 以前、オグロ鶴を写した時200ミリの望遠でダメでした。 500とか1000が必要でしょう。 でもそんなの持ってトレッキングは大変です。
15:40 Thongbu Pang 4200mようやく真下にキャンプ地トンブ・パン(Thongbu Pang 4200m)の小屋が見えました。
峠から約1時間半、小屋に着きました。 小屋にはブータンアーミーの男達が駐屯していました。 キングの狩りのための動物数の事前調査をしているのだそうです。 前回はターキンを2頭狩猟したとか。 小屋は2部屋になっていて、向こう側が彼ら、手前を我々が使いました。
いただきます。 食事のたびにこう唱えるので、Mr.ケルザンも覚えてしまいました。
8時頃、初日の出が丘に上がりました。 今年の健康を祈りました。
朝食はもうすっかり定番のエマダツィとかりかりベーコンの代りの豚肉ですが、 ちょっとコゲ過ぎでした。
尾根道が終わると、また怖い急斜面の下り道が待っているかと思うと、 不安になります。
この尾根道も5月末にはエトメトの花に包まれてさぞかしきれいなことでしょう。
パロのようです。(あとで聞いたらドゥゲだそうです) でもあそこに着くのは明日です。
11:37 hourse come道はいよいよ下りに入ります。 馬隊はあっと言う間に見えなくなります。
兎に角ご飯にしましょう。 ブータンのご飯はアジア一です。 (世界一と言いたいところですが、アジアしか行ってないので)
15:40 down 1350mすぐ下にシャナのブータンアーミーの駐屯地が見えているのですが、 これがなかなか着かないのです。
昼食から2時間半後、ようやく下りました。今日は全部で約1350m下りたそうです。
16:02 shana camp site山を下りて40分後、 行きの時に石風呂を借りることを頼んでおいた農家に着きました。 今夜はここでキャンプをします。
夕食にMr.ケルザン心づくしのホットチリのデコレーション付きサラダが出ました。 でも正直、冷たいサラダより暖かい煮野菜の方がおいしいのです。
スープもこの頃にはゴッタ煮の感がありますが、 とにかくなんでも美味しいのです。
ブータン風の豚肉とヌードル(シラタキみたい)の唐辛子煮込みです。 これは流石に辛かった。
朝のテント内の気温は−2.2℃、外は−7.1℃です。 カシオの時計の高度表示が回復し3050mを示しました。
農家の犬が餌を目当てに集まっています。 リンツィンさんがサラダをやったら、 他の犬は食べないのに、 野菜を食べる1匹だけベジタリアンの犬がいました。
9:18 start
出発して45分程で、ブータンアーミーのチェックポストに着きました。
ここで1時間足止めを食らうことになりました。
始めに提出した予定表と違うためだそうです。
そりゃそうだ2日早いんですから。
リンツィンさんは客が高山病になったので、
早く降りて来たんだと言ったそうです。
そもそも予定表にはヤクサに行くとは書いてないんです。
リンツィンめ!
でも今回のコースは、
リンツィンさんのブータントレッキング・ベスト1だそうです。
ベスト2はリンシだと言うので、
ベスト3はと聞いたら答えはなかった。
なんじゃそりゃ!!
村の食堂で昼食にします。 一応朝食の残りのパンケーキとエマダツィとオムレツを タッパウエアに入れて来たのでそれを食べるつもりでしたが、 リンツィンさんが食堂で、 ペプシコーラと血のソーセージと シャバレ(ラビオリのミートパイ)を注文してくれたので、 それも食べてしまいました。 ちょっと食べ過ぎ。 もう歩かないのですから。
リンツィンさんが血のソーセージを鶏の群れに投げ与えたら、 それを咥えて走るヘン(雄鶏)です。 朝のベジタリアンの犬といい、食べるための適応はたいしたものです。
14:55 dughe既にリンツィンさんが携帯で連絡して、 レッドチリホテルの迎えの車が来ていたのですが、 ここはやはり馬の到着を待つことにしました。
ところが他の馬群と混ざってしまっていたので、 おかしな写真となってしまいました。
1頭の馬だけ付いて行ってしまい、 Mr.グルンが慌ててそれを引き戻すというハプニングが起こり、 感動のフィナーレとは行かず、混乱の内に終わりました。 まあ、だいたいそんなもんです。
同じく荷を下ろすホースマンのMr.ウオンチュク。 ご苦労様でした。 3人に挨拶とお礼のチップ各20$を渡し、車に乗り込みました。
15:50 dughe car startこちらはタクツァン僧院です。 2日も日程が空いてしまったので、 リンツィンさんが登ろうと言っています。
振り返って今回のトレッキングは、
チョモラリベースキャンプのジャンゴタンまでと、
そこからヤクサを経てトンブパンまでとは、
全然違いました。
ジャンゴタンまでなら3日で行っても一向に構いません。
これは所謂トレッキングだと思います。
でもそこから先はもうトレッキングではなく、
完全に登山のレベルだと思いました。
目指すのは頂上ではなく峠だけれど、
登りの長さやきつさは登山と同じだと思います。
特に下りの断崖絶壁の急峻で細い道、そして延々続く尾根道は、
みんな登山経験者でなければ歩けるものではないと思います。
よく歩いたもんです。
最後にレッドチリホテルの料理名人、リンツィンさんの叔母さんの、 豪華な夕食を紹介します。
そしてお馴染みエマダツィ(青唐辛子のチーズ煮込み)。 黒いのはダンドゥン村の野草ナムナム。 チーズは東部サクテンで買って来た3年醗酵もの。