• さようなら! 太陽も海も信ずるに足りない

朝日新聞「環境税アンケート」

 朝日新聞インターネット版(12月1日)によれば、朝日新聞社は「環境税」についての電話世論調査をおこなったようだ。その結果、「地球温暖化を身近に感じる人が8割にのぼり、省エネ生活をしてもよいと思っている人も9割近くいること」、「温暖化対策の一環として検討されている環境税の導入に賛成する人は、4割に満たない」ことがわかったとしている。そして、「新たな種類の税の負担や効果について、不信感を抱いている様子もうかがえる」と判断している。
 しかし、これだけ、「地球温暖化」が報道され、今年の(異常の意味がわからないが)異常気象は「地球温暖化」が原因のようなことがいわれる中、「地球温暖化が身近か?」と問われれば、だれでも「Yes」と応えるし、「省エネ生活をしてもよい」と応えるだろう。こんな質問は意味がない。唯一意味のある質問が、「温暖化対策の一環として検討されている環境税の導入に賛成するか?」という質問である。そもそも環境税という税金の性格は、環境に影響を与える経済活動を抑制するために税を課して負担感を増加させ(効用を低下させ)、その結果として、その経済活動を低下させて環境への影響を低減させることが目的である。朝日新聞社の判断である「新たな種類の税の負担や効果について、不信感を抱いている」は負担感が大きければ大きいほど、環境税の効果が上がることを意味しているから、世論は負担を感じるのは当然で、そう思えば思うほど効果が上がることを意味している。
 だから、世論の環境税にたいする感覚と、環境税の効果はちょうど裏腹の関係にあり、世論からの延長線上での効果の判定は誤った結論に導く。ただ、世論は経済的負担を受け入れるほど「地球温暖化を身近に感じる」段階にはないということはいえそうで、これが多分、世論の本音というところだろう。
朝日新聞社はもう少し突っ込んだ分析が必要のようだ。

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