小児科学会委員会では、いままで、「死」や「脳死」を認識でき、「臓器提供」を「自己決定」できるのは15歳以上としていたが、14歳未満でも、教育に よっては自己決定できるとして、12~14歳の臓器提供を認める決定をした。どうも、こういった決定が「医者」たちによってなされることに不快を感じる。 自分たちの都合のいいように勝手に決めている感が否めない。
もともと、「死」を経験した人はいないわけで、大人や子どもの区別なく、「死」は観 念の中にしかない。観念は教育や親の考え方の影響を受けやすく、「臓器提供がよいことだ」と刷り込めば、おそらく、小児の「自己決定」を左右することがで きる。現実的に「死」は、病院で主治医が「人工呼吸器をはずせばお亡くなりになります。いかがいたしますか?」と問われ、家族が相談して、「もう十分病気 と戦ったから、はずしてください」といったような形で最終決定されるのが一般的だ。
「死を自己決定できる」として「自己決定年齢の引き下げ」をするくらいなら、「人の死の最終決定は、遺族の判断ででる」し、「臓器移植の決定も遺族が決定できる。」としたほうが、論理的にもすっきりする。もうそろそろ、ご都合主義の「インチキ」は止めたほうがよい。